建築の有機的音楽
ぶーんぶーんぶーん。
ガタガタガタ。ガタガタガタ。
ごーーごーー。ごーーごーー。
換気扇の音は、建築の恒常性を保つ機能があるんじゃないかと思ってしまう。
もし、クーラーの音がなければ、2001年宇宙の旅という映画に出てくる宇宙艦の中にいることになる。ならばクーラーや扇風機の音は、正常な波長を整えているのに寄与しているのではないかと感ずる。
あの場所、あの季節、あの瞬間に聞こえる空間内の雑音は、敢えて聴覚という感覚とは一味違った感覚、身体感覚というか、心体感覚というか、そういう感覚な気がするのは私だけだろうか。
待合室の壁は、なぜか人が寄っかかる場所に淡く色褪せた跡がつく。掃除されにくい場所に、埃が溜まっていく。それを見ると、建築の生体的な恒常性を感じる。
ぶーんぶーんぶーん。
ガタガタガタ。ガタガタガタ。
ごーーごーー。ごーーごーー。
やはり場所、季節、瞬間により、換気扇の音は違った音色をつくり、違和感なく流れ続ける。
それはまるで腸の蠕動音のようである。
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